3年前の秋、
10日間をかけて、東北の旅に出かけた。
旅の最後を飾ってくれた、
リアス式の美しい八戸の種差海岸。
どこを訪れても、
日本人に生まれた幸せを
かみ締めることのできた
素晴らしい東北の風景だった。
2011年、3月11日、午後2時46分、
東北地方太平洋沖で、
観測史最大の地震発生。
午後3時過ぎ、
私は、報道映像の前で立ちすくんだ。
あの美しい東北の海の風景が、
みるみるうちに、
信じられないような惨劇の映像となった。
白い波々が、あっという間に、
まるで、巨大鮫の大群のように変貌し、
小船、大型船をつぎつぎと転覆させ、
どす黒い濁流となって、東北の町を覆いつくした。
勢いづいた怪物は、容赦なく、
あらゆるものを破壊しながら、浚いながら、
町を飲み込んでいった。
日本の名勝だった、八戸、種差海岸。
のどかに晴れた秋の午後、
若い家族が、まぶしい位、幸せそうだった。
あの静かな緑の大地が、
再び戻ることはできるのだろうか。
青森の八戸の、
あの美しい海は戻ることができるのだろうか。
東北の人々、そして日本の大地は、
放射能汚染の恐怖に、日々、さらされている。
≪東北大地震で、
亡くなられた多くの方たちへ、
謹んでご哀悼申し上げます。≫
謹んでご哀悼申し上げます。≫
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