いよいよ、バルセロナ!
くっきりと浮かびあがる、
巨大なシルエット、
ピカソ、ミロ、ダリを生みだした、
情熱のバルセロナ。
まだ、スペイン内戦の爪痕が残っていた時代。
1882年、
貧しい人々のために、
「聖家族贖罪教会」が建設されようとした。
33才、アントニ・ガウディは、
2代目の主任建築家として、
このサグラダ・ファミリアに立つ。
1926年、73才で亡くなるまで、
ガウディは、サグラダ・ファミリアに、
生涯を捧げた。
ガゥディ亡き後の52年後、
1978年のある日、
石を彫りたい一心で、
25才の日本人青年が、
バルセロナの地に辿り着いた。
まだ、世にあまり知られていなかった、
サグラダ・ファミリアの、
積み上げられた石材の山の前で、
「やっと、石が彫れる!」
と、感動に震えたのは、
後、「生誕の門」を完成させ、
現在、サグラダ・ファミリアの、
主任彫刻家となった、
若き日の、外尾悦郎さんの姿だった。
長い長い歳月を、
腕だけが頼りの多くの石工職人と共に、
サグラダ・ファミリアに
全智全霊をかたむけたガウディ。
そのガウディの、
世紀の遺産のメッセージを
読み解こうとした、
外尾悦郎さんの「石の聖書」との
対話のはじまり。
私は、外尾悦郎さんの書かれた、
「ガウディの伝言」に感動した。
サグラダ・ファミリアの意味は、聖家族。
マリアに抱かれるイエスと、
二人を守り包む養父ヨセフ。
無償の愛に生きる母性と父性の象徴。
命を与えられた石の力強さが、
私達に容赦なく迫ってくる。
右からも、
左からも。
来る日も来る日も、
ひたすら石を愛し、
天使像を掘り続けた、外尾悦郎さん。
この、ハーブの天使像は、
「ガウディの伝言」の冒頭で、
紹介されている、貴重な一枚です。
外尾悦郎さんは、
ハーブの弦を、あえて創りませんでした。
観る人々が、あたかも、
天使の白く細い指先から、
ハーブの音色が聞こえてくるように、
体現したかったと、書かれています。
キリストの降誕を祝う歓喜の音楽。
2000年、15体の天使像ができあがり、
最初のファサード、
「生誕の門」完成。
スペイン人の熱い血潮に負けず、
昼夜、石と語らい続けた、
外尾悦郎さんの快挙に、
心から拍手を送りたいと思います。
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